CEATEC2025

 CEATEC2025を見てきた。全般的にAI、生成AIの利用、実装の例が多数、目につく。

 個別ブースで興味深かったのは、JP Tokyo & Co.の ”JediSlides” 。AIにプレゼン資料を作らせるというもの。入力した指示に基づき、AIが信頼性の高いソースを検索して数分でプレゼン資料をパワーポイントで作成する。参照したWebサイトのURLを表示できるので、作成過程のブラックボックス化が避けられそうだ。

 もう一つ、面白かったのは、(株)VRCのバーチャル試着。上着を脱いだ状態で20個のカメラで全身を撮影。すると、自分の体形データがクラウドに保存される。そのデータに、いろいろな服を着せ替え人形よろしく試着させ自分のスマホで見ることができる。ブース内で実際にやってみた。すでにワコールの一部店舗で実用化されているという。

 詳しい説明は受けなかったが、どっさり資料をくれたのは、総務省統計局。”e-Stat” (政府統計の総合窓口)の説明書をクリアファイルに入れて配っていた。e-Stat の結構よくできたマニュアルまであり、それこそプレゼン資料の作成時の資料集めに役立ちそうだ。

クール・ネット東京のシステムへの不満

 東京都の補助金の一つに「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材・浴槽)」というのがある。その給付申請は紙でも可能だが、電子でできるなら電子でやりたい。やってみたところ、その電子申請システムには結構文句を言いたくなるようなアラが目につくので、ここにメモしておきたい。本当はこのシステムを担当されている方々に直接伝えたいのだが、簡単にその方々にたどり着けるルートが見当たらないので、ここに書くことがその方々の目に触れる可能性に賭ける。

 まず誰もがはまるだろう落とし穴は「一時保存機能」だ。「一時保存機能」とは、申請入力を途中まで行い一時中断した後でその続きを行うときなどのため、入力済みの内容をそのまま保存しておけるという便利機能だ。マニュアル上72時間は保存されることになっている。私がそれを利用して翌日入力を再開しようとしたら、見事に入力内容はクリアされており(データが本当に消えたのか、再開時に読み込めないだけなのかは不明)、再度一から入力しなければならなかった。いろいろ試した結果、ブラウザーを閉じなければ、申請のシステムからログアウトした後でもデータを呼び出せるということがわかったが、日をまたがってもブラウザーを閉じないでいるのはちょっと嫌かな。PCの電源も切りたいし。クール・ネット東京の照会センターに電話して相談したら、1週間ほどたって折り返しがあり、ブラウザーが推奨されているGoogle Chromeでなかったからだろうということになった。

 もう一つの大きな問題は、申請内容の入力が終わり、最終確認の画面で確認をして「提出」のボタンを押すと、「申請完了画面」が表示されるのだが、これが出たからと言って必ずしも申請が首尾よく受け付けられたと信じてはいけないということだ。確かにこの画面には「申請完了画面」という表示はあるものの、「申請を受け付けました」などとは書いていない。逆に、「最大10分以内に自動返信メールが届きますので内容をご確認ください」とか「メールが届かない場合や助成金申請の確認画面で審査状況が「交付申請兼実績報告書受付済」に変わっていない場合は再度申請を行ってください」(下線筆者)などと書いてある。つまり、「申請完了画面」というのは、「申請の入力が一応終わったということは認めるが、申請がエラー無く受理されたかどうかは保証できない。それは後続のメールを見て確認してほしい」という趣旨らしい。どうして今の時代、送られたデータが申請として受け付けるに足る内容かどうかをリアルタイムチェックできないのだろう。内容についての実質的な審査をするのではなく、単なる形式チェックなので、瞬時にできないはずはないと思うのだが。

 最後に、申請の根幹ではないものの、申請に付随して回答を要するアンケートの入力部分にも、きめ細かさが足りないところがある点を言いたい。アンケートの回答は選択式になっているが、回答選択肢のデフォルト値の付け方にセンスが無いのだ。「家庭用の蓄電池を持っているか持っていないか」「太陽光発電を行っているかいないか」というような質問の回答選択肢で、肯定(持っている、行っている)の回答選択肢を単純にデフォルト値としていて、そこにあらかじめ丸印をつけているのだ。蓄電池や太陽光発電はデフォルト=YESにできるほど普及しているのだろうか。これらに限らず、選択肢にはデフォルト設定をしなくてもいいのではないかと思った。

 蛇足としてもう一つ、「申請完了画面」の注意書きには、こうも書かれている。「一時保存機能を利用した場合、72時間以内に必ず申請を完了してください。」あれっ、一時保存機能を利用した場合、72時間を超えてデータが保存されることもあるってこと?「安直に72時間超えのデータを利用すると、想定外のことが起きるからやめてくれ」って言ってる?

磁気テープ健在を喜ぶ

 2024年5月8日付けの朝日新聞(紙媒体)に「デジタル社会の『命綱』 磁気テープ進化中」と題する記事が載った。デジタル版は2024年5月8日 5時00分: 朝日新聞デジタル(有料記事)だが、内容は2024年4月17日 8時00分: 朝日新聞デジタル(有料記事)の焼き直しのようだ。それはともかく、目立たないながら頑張って働いているデバイスに光を当てた記事が一般紙に載ることは大変喜ばしいことだ。 

 思い立って、磁気テープに関わる最近の資料を少し掘り起こした。

 

 

 

 

 

お役所の人は皆、外部との公用デジタルチャネルを持っているのだろうか?

 ここ1、2か月、都内某税務署の担当者様とやりとりしている。やりとりの手段は電話、FAX、郵便だ。

 電子メールという選択はない。その税務署には担当者が公用で外部と電子メールのやりとりをするためのシステムインフラがないのだ。もちろん、その税務署に限らず、日本全国、多くの税務署がそのような状況だと想像される。

 どこかのITベンダーが今頃、全国の税務署に電子メールを導入するプロジェクトの提案書を作っているのならよいが、デジタル庁の誰かさんのエクセル表の300行目あたりに書かれているだけだとちょっと困る。

 

「DXとデジタル化の違い」説明できなくてもいい

 日経電子版(日経クロステック)の2021年9月21日記事に「DXとデジタル化の違い 『説明できない』管理職が7割」とある。説明できないことがそんなに問題だろうか。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)は、「IT(情報技術)を利⽤して製品やサービス、ビジネスモデルやビジネスプロセス、さらには組織や業界構造を刷新する取り組み」を指し、デジタル化は、「既存の仕組みや設備をデジタルに置き換えること」で「主に業務の効率化を目的とする」と言うが、紙をデジタルにするだけでも事務フローは大きく変わるのが普通だ。電子メールが初めて導入されたとき、すべてのメールを部下にせっせと印刷させていた上司がいたが、そんなことは長続きしない。他社のまねをして電子メールを導入しただけでも、社員の意識は変わり、仕事のやり方は変わる。ハンコのデジタル化にしても、電子化そのものを究極の目的としてやるわけがない。人は皆、そのアイデア・新技術を仕事にどう活かすか、UX、CX、EXをどう変えるか、すなわちビジネスの刷新につなげるべく、頭を働かすものだ。

 名前や定義にとらわれずに、まずは検討してみる、やってみることだと思う。

 

週刊BCNにシステムエンジニア不正出金の記事

こういう話を聞くと、悲しくなる。システム受託業界全体の信頼に関わる。バックアップファイルを不正に転送したということだが、そのファイルからどうやって顧客のパスワードを解読したのか。パスワードは暗号化されていなかったのか。

現在の AI 技術には限界

 東商新聞2019年11月15日号に、東京商工会議所の情報通信部会が10月11日に開催した講演会「デジタル革命と中小企業の活路」の記事が載っている。

 講師の野村総研理事 桑津浩太郎氏の以下の言葉をメモしておきたい。 

「現在の AI 技術には限界がある。

「 自動化できる部分は機械に任せ、複雑な判断を伴う仕事や AI には置き換えられない業務など、本当に人手が必要な『ラストワンタッチ』に、限られた人員を配置すべき」

  つまり、人と AI の協働ということであり、AI 任せにはしないということだ。「シンギュラリティ」は来ない。この気づきは、今後 AI やコミュニケーションロボットの実用化へとつながっていくと思う。