2024-01-01から1年間の記事一覧

映画「ゴジラ-1.0」を観た

遅まきながら、「ゴジラ-1.0」を観た。 終戦直後を舞台設定としたことで、ゴジラ映画に新しいドラマを生み出した。 戦後、ゴジラの物語が繰り返し作られ皆に受けてきたのは、日本人の心の中に「もう戦争による破壊と殺戮はごめんだ」「やられるのが嫌なだけ…

篠田節子「ブルー・ハネムーン」(光文社文庫)読後メモ

1991年にカッパ・ノベルズから刊行されたドタバタ・ピカレスク・コメディー、1997年発行の光文社文庫版で読む。 私がこの作家に注目したのは、「夏の災厄」(1995年、毎日新聞社刊)からだった。日本版マイクル・クライトン「アンドロメダ病原体」とも言うべ…

邱永漢「食は広州に在り」(中公文庫)読後メモ

30年ぐらい前だろうか、街の本屋さんへ行くと、ごま書房や徳間書店などから出版された金儲け指南の本が平積みになっていた。当時はそれらの著者である「邱永漢」という名前を見ても「金儲けの上手な中国人」程度の認識しか持たず、この人の文学的センス、人…

常盤新平「遠いアメリカ」(講談社文庫)読後メモ

(講談社文庫版はもう古本でしか入手できないらしいが、今は小学館から出ているようだ) 昭和真っ盛り(と言っても昭和は長かったから人によって思い浮かべる年代は違うがここでは昭和30年代)の青春物語。何しろ主人公の名は「重吉(ジュウキチとしか読めな…

ジョン・アップダイク「同じ一つのドア」(新潮文庫)読後メモ

ブログに書こうと思って、著者・題名をネットで検索して驚いた。なんと新本では入手できないらしい。と言っても、古本が高騰しているわけではなく、その気になれば廉価で購入できるだろうが。なにしろ、自宅の積ん読本の山に20数年は眠っていたらしいので、…